【あきたを旅しようキャンペーン終了迫る!】市町村の宿泊補助事業ランキング&まとめ!

NHKプロフェッショナル出演の大森山動物園柴田氏が大賞受賞!

「NHKプロフェッショナル 仕事の流儀」にも出演された大森山動物園の飼育員柴田典弘氏が、飼育動物の福祉向上に寄与した動物園や水族館などに贈られる「エンリッチメント大賞2019」を受賞されました!その取り組みや受賞理由とは??

動物達のQOL向上のため、常に最善を尽くしている柴田氏の取り組みについて、多くの方に知って欲しいという思いで執筆しました。


大森山動物園・柴田典弘氏とは?キリン飼育員としてNHKプロフェッショナル仕事の流儀出演!?

既に柴田さんをご存知の方も多いのではないでしょうか?柴田さんは「NHKプロフェッショナル仕事の流儀 2017年1月30日放送(SP回)」にて「飼育員柴田典弘」として登場されました。

その放送回は今回受賞のトナカイではなく主にキリンの飼育員として取り上げられました。キリンはストレスに弱く突然死のリスクが常にあるため、どの動物園もその飼育方法に苦慮しています。
キリン達を助けるため、柴田はこれまでの常識にとらわれない「ハズバンダリートレーニング」という飼育方法を採用しました。これは笛の音や手の動きなどの合図で特定の姿勢をとらせて世話・治療などがしやすいよう飼育動物に行うしつけのこと。

本来キリンは人と触れ合うことを好みませんが、「キリンになる」ほどキリンに寄り添い、臆病なほどキリンを気遣う柴田氏の熱意・姿勢がこの手法を確立させました。このトレーニングによって動物に不要なストレスを与えることなく、キリンの採血や検温、蹄のチェックなどの健康管理をすることができるようになりました。

番組中、柴田氏が答えた「プロフェッショナルとは」という質問に対しての答えは

https://akita-mirai.com/wp-content/uploads/2019/10/EFeMa4aU0AA7x7Z.jpeg
柴田典弘氏

教えてください」が言える人です。前例があるなし関係なく、ちょっとでもプラスになるなって思った時、即行動する人。
(プロフェッショナル仕事の流儀)

と述べています。
動画はNHKオンデマンドでも見ることができます。




大森山動物園・柴田氏受賞のエンリッチメント大賞とは?

皆さんは「環境エンリッチメント」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?おそらく言葉の意味を正確に理解しているという方は少ないのではないでしょうか?私も今回の大賞を受賞されるまでこの言葉を耳にしたことはありませんでした。

「環境エンリッチメント」とは、「動物福祉の立場から、飼育動物の“幸福な暮らし”を実現するための具体的な方策」を指します。動物園の中にいる動物達は、野生の動物と比べてどうしても狭い範囲で単調な生活を送らざるを得ません。そうした飼育環境に野生の環境に近づけるための工夫を加えて、環境(environmental)を豊かで充実(enrich)したものにしようという試みが環境エンリッチメントなのです。(一部市民ZOOネットワークより引用)

大森山動物園・柴田氏が受賞した「エンリッチメント大賞」とは、そうした取り組みをしている全国の動物園や水族館の中から、特に優秀とされた園のみに贈られる賞です。そして大森山動物園・柴田さんは2013年以来6年ぶり二度目の大賞受賞になりました。

現在も「キリン・トナカイ」双方の動物達を担当する柴田さんですが、そのどちらでも大賞を受賞したことになります。

全国に数多く存在する動物園の中で二度も大賞を受賞するということは大変素晴らしいことですが、一人の飼育員が複数の動物において大賞を受賞するということは極めて異例のことでした。



大森山動物園・柴田氏の取り組み・受賞理由は?

大森山動物園・柴田氏は「トナカイの放牧を含むエンリッチメント」において、最多8件の推薦を得て大賞を受賞しました。

 寒い地域が本来の生息地であるトナカイにとって、日本の高温多湿な環境や放飼場のサシバエ、餌による前歯への影響など問題は山積しています。その問題1つ1つに対しての6年に及ぶ緻密な検証・対策が評価され、今回の受賞になりました。

トナカイのエンリッチメントに関する6年に及ぶ緻密な検証・対策と一言で表しても、その数は膨大なものになりますが、それらのうちの主要な問題点として、「暑さ対策」が挙げられます。

「暑さ対策」のため、スプリンクラーの設置や日陰の作成、トナカイの首に温度計を取り付けるなどして温度管理を徹底しました。またサシバエに刺されたことによる不快感のため走り回ることも体温上昇の要因になっていたため、効果的な虫除け剤に対しての研究も進められました。また、トナカイ達が自発的にサシバエや暑さに対抗するように、水辺を作ってトナカイが自らの意思で水辺に入るような環境づくりもされました。
これらの取り組みは大学や企業を含む細かな情報共有のもとチームで実行され大きな効果を生んだことで、今回の大賞受賞となりました。



大森山動物園・柴田氏のエンリッチメント大賞受賞コメント

 この度は栄えある賞を頂き心から感謝申し上げます。トナカイの幸せ追求は、キリンのための飼育管理で大賞を受賞させていただいた2013年から開始しましたが、今振り返るとまるで「戦いの日々」だったように感じています。歯の摩耗対策からスタートし、その後は暑さ・サシバエの対策を追求し続けた戦いの日々。そんな中であっても、これら取り組みがトナカイの幸せに繋がると信じてくれた多くの職員が、担当や代番を超えたTeamトナカイとして関わり続けてくれました。しかしながら、人的な負担を軽減しなければ永続的な取り組みとすることが難しくなるため、大学や企業のお力添えを賜りながら、より効率を高められるよう研究を進めて参りました。そしてようやく負担軽減に繋がる進展が見られた今、こうして高く評価いただいたことを心から嬉しく思っております。
 さて、気候的に厳しいとされる国内でのトナカイ飼育は、放牧等に頼ることなく、展示場において適切に管理をすることが求められていますが、今年はその理想に一歩近づいたと感じております。まだまだ続くトナカイの幸せ追求。これまでの知見と結果を基に、飼育技術の普及にも取り込んで参る所存です。
 またこの取り組みを長期に渡って応援いただき、全国各地から何度も来園下さった動物を愛するお客様の存在こそが、令和元年である2019年の受賞に繋がったことはいうまでもありません。本当にありがとうございました。

秋田市大森山動物園
柴田 典弘

エンリッチメント大賞 受賞のコメント




おわりに

この度の受賞おめでとうございます。エンリッチメント大賞の授賞式は12月7日(土)に東京大学にて行われます。

普段何気なく見ている動物達は、実は大きなストレスを抱えて生きています。逆の立場で考えてみれば、人間がアフリカの広大な草原に突然置かれるようなものですから、当然といえば当然です。そうした動物達がいかにストレスなく生活できるかを日夜追求している動物園の飼育員の方々の努力には尊敬の念を覚えます。今度動物園に行く際は、また違った目線から見てみたいと感じました。

大森山動物園の通常開園日は12月1日までです。

冬が始まる前の動物達に、ご家族やお友達・恋人を誘って会いに行ってみませんか?

10月22日は天皇陛下即位礼正殿の儀を祝して無料開園日になっているそうです!

今日も読んでいただきありがとうございました。SNSで拡散していただけると大変力になります!ぜひ!よろしくお願いいたします!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。